食物経口負荷試験
(1)食物経口負荷試験について
   食物アレルギーの治療は「正しい診断に基づいた必要最小限の原因食物の除去」です。当院で
  はその子にとっての必要最小限がどこなのか見極めることが重要であると考え、外来、入院で食
  物経口負荷試験を行っております。
   例えば原因食物が判明し除去食をすでに行っているけれど、年齢が大きくなったのでもう食べ
  られるかどうかを調べる場合にも経口負荷試験を行うことを提案しています。乳幼児期にアトピー
  性皮膚炎があり、疑われる原因食物に対する特異的IgE抗体検査が陽性であったため除去を始め
  た食物を、離乳期以降も除去を漫然と続けているような症例も多くみとめます。このような症例では
  1、2歳で負荷試験を実施して食物アレルギーの確定診断を下すとともに、栄養の偏りを防ぐために
  できる限り除去を解除するように指導しております。
   症状が出ない食物を見つけ出し、できる限り多品目を食べさせてあげるということが大切だと考え
  ています。

(2)食物経口負荷試験の目的
  1、食物アレルギーの確定診断を行うこと
    @アトピー性皮膚炎で食物アレルギーの関与を疑う場合
    Aじんましんなどの原因アレルゲンの診断を行う場合
    B血液検査や皮膚テストで陽性であるが、未摂取(食べたことがない)の場合
     (血液検査が陽性でも食物を安全に摂取することができる場合を多く認めます)
  2、耐性獲得(アレルギーの原因食物を食べられるようになる)を判断すること
    安全に摂取可能な食品の形態と量を判定することが可能になります。卵そのものが食べ
    られなくても、卵加工品なら食べられるこども達が大変多いことがわかります。

(3)食物経口負荷試験の目的食物経口負荷試験の方法
   固ゆで卵、牛乳、小麦(うどん)など原因の食べ物を少しずつ量を増やしながら15 分ごとに食べて
  もらいます。一定量を1〜2時間ほどかけて食べていただき、症状が誘発されるかどうかさらに数時
  間観察します。合計約3時間から半日で試験を終了します。
   症状の出方は個人でまちまちです。通常は食べた直後から2時間以内に即時型症状が出ます。
  しかし、消化された物が吸収されて症状を起こすまで数時間から数日を要する遅発型症状もありま 
  す。誘発される症状は、かゆみやじんましんなどの軽いものから、ぜんそく発作や意識がなくなるよ
  うなショック症状まで様々ですので、より安全に実施することが大切です。アレルギーの程度が強く
  重度の症状が予測できる場合は、慎重を期して入院(日帰り)のうえ行うことをお勧めします。

    具体的には
   
    @患者様の体調を担当医が診察し、問題ない事を確認したら検査の開始です。
      本人の体調がすぐれない時などは、延期とさせていただくことがあります。
      何かの症状がでても治療がすぐ出来るように、点滴をしながら検査することもあります。

    A負荷食品は、基本的には保護者の方に用意して頂きます。
       (当院で栄養士と相談して準備する場合もあります)

    B事前に負荷食品の分量が決まっているので、4回に分け15分ごとに食べていきます。
    
    C看護師、担当医と一緒に、慎重に症状観察しながら検査していきます。
    
    D経過観察中、診察室前にあるキッズスペースでおもちゃや絵本で遊びながら過ごすことが出
     来ます。負荷検査中は、お茶やお水は自由に飲むことが出来ますので、水筒を持参しても結構
     です。

    E個々の症状と進行具合によりその時間は前後しますが、最低でも2〜4時間の経過観察を院
     内で行います。症状が強く出現した場合、翌日まで入院の上治療、経過観察が必要になるこ
     ともあります。
    
    F最後に食物負荷試験評価・負荷試験後の指導をさせていただきます。担当医の診察後、送れ
     て症状が出てきた時のために緊急常備薬の処方を受け取りおうちへ帰ります。

   

                                       担当;小児科部長  中農 昌子