学校の尿検査(学校検尿)で精密検査を
すすめられたら
はじめに
 学校で行う尿検査 (学校検尿といいます) はいろいろな腎臓の病気をできるだけ早く見つけることを目的としています。早く見つけて,早く治療をすることで病気がなおったり,病気が進むのをくい止めることもできるからです。精密検査をすすめられた場合は,何も症状がなくても,必ず精密検査を受けましょう。

-血尿,蛋白尿の場合-

(1)
尿に赤血球がまじる (血尿) の場合

 血尿とは尿に赤血球がまじっている状態をいいます。多くは,ほかに特別な症状のない無症候性血尿といわれるものが大部分であるため,心配しすぎる必要はありません。ご家族のどなたかに同じように血尿がみられることもあり,これは家族性良性血尿と呼ばれ悪くなることはまずないと考えられます。しかし,血尿が始めて見つかった場合は,血液や腹部超音波の検査をうけて,原因をきちんと調べる必要があります。精密検査で異常がなければ生活制限の必要はありませんが,年に3〜4回程度は病院で検尿をうけ,経過を見ていく必要があります。

(2)
尿に蛋白がでる(蛋白尿)の場合
 体を動かした後に尿に蛋白がでやすい人がいて,これを起立性または運動性蛋白尿といいます。一種の体質で病気ではありません。朝起きてすぐの尿(早朝尿)で蛋白がでず、起立負加後の尿で蛋白がでているなら起立性蛋白尿と考えられ,生活の制限も特に必要はありません。しかし,早朝尿でいつも蛋白がでる場合は,腎炎などの病気も考えられます。尿蛋白の量が多い少ないにかかわらず,血液や腹部超音波の検査をうけて,きちんと原因を確かめることが必要です。また入院して腎機能検査を行なう場合もあります。

(3)
血尿と蛋白尿が両方ある場合
 いろいろな腎炎など治療を必要とすることがあります。場合によっては腎臓の組織を少しとって調べること (腎生検) が必要となることがあります。早く見つけて,早く治療をすることでかなり良くなることが多いのです。


終わりに
 腎臓の病気の診断や治療は以前よりずっと進歩しています。精密検査をすすめられたからといって,問題のない場合や治療で良くなる場合も多いので,ご本人やご家族が必要以上の心配をされないようにしてください。また,逆に,腎臓の病気の場合は自分でわかるような症状がないことも多いので,何も症状がないからといって,精密検査に行かなかったり,定期的な受診を忘れてしまわないようにすることが大切です。

                                 担当; 小児科医長 飯田 陽子