夜尿症のおはなし

夜尿症  夜寝ている間に無意識に排尿してしまうことを一般に「おねしょ」といいます。「おねしょ」と「夜尿症」の違いは、明確なものではありませんが、一般的に年齢で区別しています。つまり、幼児期の夜尿を「おねしょ」といい、6~7歳(小学校入学後)以後の夜尿を「夜尿症」というのが一般的です。

6~7歳になっても夜尿がつづく場合は、積極的な生活指導やお薬による治療など適切な対策をとったほうがよい場合もあるということで、病気を意味する「症」という言葉をつけて「夜尿症」といっています。

夜尿は5、6歳で約15%、小学校低学年で約10%、小学校高学年で約5%にみられます。12歳を過ぎるとその多くは消失していきますが、成人になっても夜尿がみられる場合があります(0.1~0.3%程度)。乳児期から引き続いている一次性と、一度見られなくなってから何らかのきっかけで再び見られるようになった二次性がありますが、80%以上が一次性の夜尿症です。原因としては遺伝的因子、膀胱機能及び成熟の遅れ、精神的ストレス、器質的原因などがあげられます。

分類 一般的に夜尿症は3つのタイプに分類されています。

1.多尿型 夜間の尿量が多いためにおこると考えられるもの。

2.膀胱型 夜間の膀胱容量が小さいためにおこると考えられるもの。

3.混合型 :1と2の合併したもの

治療】 大きく分けて生活指導、行動療法、薬物治療があります。

1.生活指導 :水分摂取のコントロールなどです。水分の摂取が多いと尿量も増えますので、夕方からは水分の摂取を制限します。この場合水分だけでなく塩分も控えめにすることが大切です。 また食事内容についても、夕食後の果物摂取など注意するポイントがあります。また、精神的なストレスがある場合、それが取り除ける場合には取り除いてあげることで、改善に向かうこともあります。

2.行動療法 :膀胱機能訓練、すなわちおしっこをためる練習をします。はじめは短時間でも、ゆっくり我慢する時間をのばしていきます。おしっこを途中で止める練習も効果があります。また、おねしょを感知するとアラーム音で目を覚まさせる器具を用いた治療法もあります。

3.薬物療法 :いくつかの薬物が使われています。通常、三環系抗うつ剤とよばれるものや、抗利尿ホルモン剤(DDAVP)、抗コリン剤などを使います。

そして、大事なのは「あせらない」・「おこらない」・「起こさない」の三原則です。

·         あせらない」:夜尿症はあせっても早くなおるものではありません。義務教育が終了する頃までには、多くが自然に治癒しますので、のんびりしたおおらかな気持ちで治ってくるのを待ちましょう。一般的に、夜尿症は特別なケースを除いては、特に何も治療しない場合でも1つ年をとるごとに1015%の子供さんが治っていくとされています。

·      おこらない」:夜尿を叱ってしまうと、本人も気にしていますので、劣等感を助長し、自主性や意欲を減退させることになりかねません。叱るのは逆効果ですので、優しい気持ちで接してあげて下さい。

·         起こさない」:夜中に起こしてトイレに行かせることは、睡眠リズムを狂わせ、本来深い眠りによって高まるとされるおしっこを濃くするホルモンの分泌の高まりや排尿機能の発達を妨げる結果になってしまいます。
 ただし、夜尿アラームは夜尿時に起きることを習慣づける機能訓練法ですので、有効な治療のひとつと考えられています。

 

以上、夜尿症について簡単に説明しました。当科ではお子さん一人ひとりに適切なアドバイスが出来るように努力しております。もし、夜尿症でお困りでしたら、一度受診されてはいかがでしょうか?御本人、御家族と一緒に考えて、良い方向に向えれば、と思っております。

                                    担当:小児科 主任部長 高川 健